映画「孤狼の血」 感想
ヤクザなどの任侠ものの映画は、暴力的なシーンやグロテスクな描写が多いので、あまり好きではなかったのですが、なんとなく気分を変えて観てみました。
どんな内容なのか?
昭和63年を舞台とした暴力団同士の抗争や警察組織の闇などを描いた作品です。
主人公である日岡は、正義感のあるエリート刑事でありながら、田舎の警察に勤めている。
しかし、それには深い事情があった。
暴力団と繋がりを持つ上司の大上を観察するために送り込まれたのである。
日岡は、大上と共に組み暴力団の抗争に巻き込まれていく中で、警察組織の裏の顔を知ることになってしまう。
正しい正義とは何なのか、日岡は葛藤しながら、次第に大上に惹かれていく。
観てみた感想は、バイオレンスな描写がたくさんあってかなり過激な映画ではありましたが、昭和の男たちの抗争がとても見ごたえがあって、内容もとても面白くていい作品でした。
本当の正義とは?
暴力団と関りを持つ刑事である大上は、果たして悪なのだろか。
真っ当な正義を振りかざす日岡は、法を逸脱した横暴な捜査を繰り返す大上に対して嫌悪感を抱きながらも、日々共に過ごしていくことによって、迷いが生じてくる。
それは、大上自身にしっかりとした覚悟があり、何を信じるかを誤らないように生きているようであった。
警察組織の闇を知る大上は、警察が必ずしも正義ではないということをずっと抱え込んでいたのである。
見せかけの正義ではどうにもできないことがこの世にはあるということを大上は、日岡に対して見せていたのではないだろうか。
善悪のをはっきりと判断し提示することは容易な事ではないのである。
善も悪も目に見えている部分だけで判断してはいけないということがこの映画を観ているとはっきりと理解することが出来ます。
最後に
出演している役者はどの人も素晴らしいです。
グロテスクな場面や性的な描写、また不快な場面も多い作品ではありましたが、それもまたこの映画の醍醐味なのかもしれません。
たまにはこんなバチバチした映画を観るのもいいものだと思いましたね。
是非観てみてください。おすすめです!