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東野圭吾「クスノキの番人」のあらすじ・感想・評価/人が死なないファンタジー作品

東野圭吾は1985年に「放課後」で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、その後も数々のヒット作品を生み出しているミステリー作家です。有名作品としてあげられる「容疑者Xの献身」は、第134回直木賞を受賞し、一躍有名作家の仲間入りを果たしました。

 

そんな東野圭吾が描くエンターテインメント作品『クスノキの番人」とは、一体どのような作品なのでしょうか。この記事では、人が死なないファンタジー作品である『クスノキ番人』の魅力について紹介します。

 

 

1.東野圭吾著「クスノキの番人」あらすじ

職場を不当解雇された主人公の少年・直井玲斗は、退職金を盗むために不法侵入をはたらき警察に捕まってしまいます。警察に不当解雇の腹いせでやったこと訴えるも起訴されることになってしまいました。

 

しかし、そこに祖母の依頼により弁護士が現れ、玲斗にある命令を言い渡しのです。玲斗はその命令に従うことにし、無事刑務所から釈放されました。

 

釈放された玲斗は命令に従い、とある依頼者の元へと向かうことに。そこには千舟という名の年配の女性がいました。千舟は自分が玲斗の伯母であることと、玲斗にクスノキの番人をするように言い渡しました。

東野圭吾による長編書き下ろしのエンターテインメント作品です。

1-1.クスノキの番人の面白ポイント!

その木に祈れば願いが叶うと言われているクスノキには、様々な祈念を抱えた人々が訪れまます。そんな祈念を抱えてやってくる人々の影響を受け、玲斗は思いがけない感情の変化を遂げるのです。

 

そんなクスノキの祈念にはルールがあるのです。そのルールとは、

  • 新月と満月の夜しか祈念できない
  • 祈念の内容は極秘
  • 誰かの死を願うこともできる
  • 願いが叶うとは限らない

さらにクスノキには、明かされていない秘密があったのです。

1-2.「クスノキの番人」口コミ・レビュー

ミステリー作家として人気を博している東野圭吾によるエンターテインメント作品「クスノキの番人」。時より人が死なない感動作を世に送り出している著者が描くエンターテインメント作品の魅力とは一体なんなのでしょうか?

 

口コミ1:東野圭吾作品ではミステリーが好きで、ファンタジー系は苦手なのですが、話は現実的でいてそれぞれの人物たちのクスノキへの思いが丁寧に描かれています。千舟と玲斗の感情の動きや玲斗の成長が見事に表現されていました。後半からラストに向けてじわじわ感動しちゃいました。

 

口コミ2:読み終えてから、それぞれの人物の違う顔が見えてきたりするところがさすが東野圭吾だと思った。世界中が閉塞感に包まれている今、必要なのはほっとして温かくなる物語。ミステリーは変わらず好きだが、時にはこういう作風もいいですね。

 

ミステリー作家のイメージが強い東野圭吾であるが、時に人が死なないエンターテインメント作品を世に送り出しています。東野圭吾のミステリーが好きという人は、この「クスノキの番人」のようなファンタジーな世界観が苦手な人もいるでしょう。

 

しかし、この作品はミステリーとは違った東野圭吾の良さが出ている作品なのではないでしょうか。感情が揺さぶられるエンターテインメントの世界を味わってみたい人は読んでみて損はないでしょう!

2.おすすめのファンタジーエンターテインメント

ミステリー作家として有名な東野圭吾は、これまでにも様々なエンターテインメント作品を生み出してきました。ミステリー作家である彼が描くエンターテインメントの世界とは、その魅力を紹介します。

2-1.秘密

妻の直子と小学5年生の娘の藻奈美を乗せたバスが崖から転落したことにより、妻は死に娘は意識不明の重体に。妻の葬儀の夜に意識を取り戻した娘には、ある異変が。娘の体には死んだはずの妻が宿っていたのです。父と娘の悲しく奇妙な秘密の生活が始まったのです。

 

人が死なないエンターテインメントではありませんが、ミステリーとは違って主人公の妻が死んでしまうところから物語は始まります。家族との愛を描いた感動作品です。

2-2.ナミヤ雑貨店の奇蹟

養護施設で育った少年の3人が盗みを働き、逃げ込んだ廃屋の郵便受けにである浪矢雄二は、困っている人たちから手紙を受け相談に乗っていたのです。少年たちは見ず知らずの誰かのために手紙の返事を描くことに。これまでの人生で人と関わることを避けてきた少年たちの中の何か手紙を書くことで変化していきます。過去と未来をつなぐ不思議な雑貨店の物語です。

 

2017年に実写映画化されたこの作品は、最初から最後までファンタジーの世界観。一人ひとりの悩みと共に、彼らの成長が繰り広げられています。彼らの手紙が過去の人たちの未来を救う姿が描かれています。

2-3.時生

病室で最後を迎えようとしていた時生の側で、父である拓実が二十年以上も前の思い出を妻に語り始めた。父は昔、突如目の前に現れた「トキオ」と名乗る青年と出会ったのだという。そして、青年との出会いの後、恋人が行方不明に。謎を残して消えた恋人と青年との出会い。過去、現在、未来が交錯する東野圭吾の集大成。

 

親と子の温かさを感じられる一冊。時生が生まれてきた意味がわかる結末は涙なしでは読めません。何かきっかけがあれば誰もが変わることができると思わせてくれるタイムトラベル物語です。

3.その他の東野圭吾おすすめ小説

ミステリー作家としての東野圭吾は、どのような作品を生み出しているのでしょうか。ハラハラドキドキのミステリーが好きな人はぜひ読んでみることをおすすめします。

東野圭吾作品ではお馴染みの加賀恭一郎シリーズ第5弾作品であるこの物語は、殺人事件の容疑者である3人の男女の視点で描かれるミステリー作品。

 

加賀刑事と共に事件の真相を解き明かしていく物語です。

  • 手紙

弟の大学進学のためのお金のために強盗殺人を犯してしまった兄。兄と2人で暮らしていた弟はひとりぼっちに。弟が成長し進学・就職・恋愛・結婚などの幸せをつかもうとするたびに、兄の犯した罪が足かせとなってしまうのであった。

 

兄弟の切ない関係を描いた手紙でつないだ別れの物語です。

  • 恋のゴンドラ

東野圭吾作品では珍しい恋愛コメディ作品。「白銀ジャック」や「疾風ロンド」などのスキー場を舞台にした作品がある中、今作品もスキー場での男女の恋模様が描かれています。

 

東野圭吾の笑いのセンスが光る物語です。

  • 希望の糸

私が彼を殺した」などでもお馴染みの加賀恭一郎シリーズとは少し違ったテイストの、加賀の従弟である松宮脩平がメインの作品です。ただ事件を解決していくだけでなく、松宮脩平が事件と深く向き合う姿が描かれています。

 

ミステリーとヒューマンドラマが入り混じった家族の物語です。

東野圭吾はミステリーだけじゃない!感動・恋愛・コメディどのジャンルでも面白い作品を生み出すことができる天才!

東野圭吾は天才である。それはこれまでのヒットしている作品数を見れば一目瞭然だろう。ミステリーでは物語の構成が素晴らしく、最初から最後まで読書欲をそそる物語の描き方が憎いほど面白い!

 

ミステリだけじゃなく、様々なジャンルで面白い物語が描ける作家であることは、彼が天才であることを物語っていますよね。

 

クスノキの番人」は人が死なないファンタジーとして、今後も語り継がれる作品の1つになることは間違いないでしょう。

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感想(3件)

まとめ

  • クスノキの番人」は東野圭吾による長編書き下ろしのエンターテインメント作品
  • 感情が揺さぶられるファンタジー
  • 感動のファンタジー作品を紹介!
  • ミステリーだけじゃない!東野圭吾おすすめ作品