映画「湯を沸かすほどの熱い愛」 感想
タイトルに惹かれるものを感じ、観てみました。
どんな映画なのか、全く情報を入れずに観たのですが、予想以上に素晴らしい映画でした。
タイトルと宣伝広告を見た時になんとなく、銭湯の話なのかな~くらいに思って観てみたんですが、もちろん銭湯もしっかりと関わっているのですが、重要な話は別にあったのである。
主演である宮沢りえ演じる「おかあちゃん」は、物語の冒頭で余命宣告を受けてしまう。しかし、2人の娘のために病気のことを内緒にしたまま、元気に強く毎日を生きていくのである。
しかし、余命宣告を受けた以上、2人の娘の将来のため、どうにかしなくてなならない。そんな時に、家出した元旦那を見つけたのである。
おかあちゃんは家族のために残りの人生をかけて家族の愛を完成させていくのである。
僕はこの映画を観て、冒頭で余命宣告をされたことによって、これからおかあちゃんの闘病生活が始まるのかと思いました。
しかし、観終わってみれば、おかあちゃんが病気であることが嘘のように物語が進んで行ったのである。もちろん、作中何度か病に侵されているシーンはあったものの、家族にはその様子は全く見せなかったのである。
さらに、観終わった後、明るい映画だったと感じたのである。
主人公が余命宣告をされたのに、作中ほとんどそこに触れるようなシーンがなかったことには驚かされました。
この映画は、おかあちゃんの病気についてあまり触れないというのが、大きな特徴になっているのだと感じました。
そこには、母の強さや家族を思う愛の気持ち、タイトルにある通り、「湯を沸かすほどの熱い愛」というのがしっかりと表現されていました。
さらに、銭湯に関しては、あまり関係がないと思われるかもしれないが、ボロボロだった銭湯が物語が進むにつれて活気を取り戻していく様子は、家族の再構築を表しているようであり、また、おかあちゃんの愛の熱さを表しているのではないだろうか。
僕の中の忘れられない作品の一つになりました。
この作品は是非、もっとたくさんの人達に観てもらいたいです。