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三秋縋、「三日間の幸福」幸せの価値とは

ライトノベルが小説としてどのような分け方をされているのか、はっきりといった組み分けはないと思うのですが、話題作であり、友達から勧められたので読んでみました。

 

 

ライトノベルを今回初めて読んでみたが、非常に読みやすくて、読書初心者にはとてもいいものだと思いました。文学的な深い表現が少なく、文章の美しさよりも分かりやすさに重きを置いた作品であるという印象を受けました。

 

それをふまえた上でのこの作品の感想は、とても面白かったです。

内容に現実味はありませんが、登場人物の性格や人間性が非常にリアルに描かれていて、ファンタジー的な印象は受けませんでした。

 

物語は、自分の寿命を一年につき、一万円で買い取ってもらい、残りの少ない人生をどのように過ごすのかというものなのです。

主人公は自分の残り少ない人生をどのようにすれば幸せでいられるのか、それだけを考えながら毎日を過ごしていきます。

そんな中で出会った監視員の「ミヤギ」と名乗る女の子が現れる。

主人公はその「ミヤギ」と共に残りの人生を過ごすのである。

 

まず、この小説を読んでいて最初に思ったことは、「悲しさ」です。

人には一人一人価値が違い、一年間で得られる金額にも違いがあるのである。

その中で主人公の寿命は一年間でたったの一万円しかないのである。

人間一人の人生をお金に換算するという行為は、なんだか悲しい気持ちになりました。

しかし、この物語では、タイトルにもある通り、「幸せ」であることが大切なのである。

主人公は自分の価値を受け入れ、残りの人生を幸せになる為に捧げたのである。

 

僕はこの物語の主人公という人間が好きだなと思いました。

自分の人生に他人が価値をつけるというのは、想像もつかないが、僕なら絶対に受け入れられないと思います。

どれだけつまらない人生だとしても、他人に、お前の価値はいくらだ、と言われて素直に受け入れられる人間はいないはずである。

しかし、主人公は物語の中でその事に関して感情を露わにすることは全くありません。

 

人生の価値を見出すのは、決してお金ではないということをこの小説を読んで思い知りました。

お金は大事だが、幸せというのはお金では買えないのかもしれないと僕にはそう感じました。

心温まる作品でした。是非手に取って見てください。