川村元気 映画「億男」 感想
「億男」は、映画プロデューサーで小説家の川村元気さんによる長編小説を映画化した作品である。
どのような内容なのか?
この映画の主人公は、3千万円の借金を抱え、妻と子供と別居中の男である。
しかし、ある日、たまたまもらった宝くじが当選したことにより、3億円を手にするのである。
主人公は当たった3億円で借金を返し、妻と子供とまた暮らせると思っていた。
しかし、主人公はこの3億円の使い方が分からなかった。
そんな時、主人公は昔親友であった男にお金の使い方についてを訪ねることにした。
しかし、その親友は3億円と共に消えてしまうのである。
主人公は、3億円という大金を失ってしまった。
お金とは
人がある日突然、自らの力では到底届かない価値のものを手に入れた時、どのように変わってしまうのだろうか。
この映画の中の主人公は、突然3億円という大金を手にしたことにより、お金というものがどういうものなのかが分からなくなってしまうのである。
お金とはいったい何なのだろうか。
先に言っておくと、この映画は、ある日突然、大金を手に入れた男のその後の人生転換を描いた物語ではないということである。
この映画の本質は、お金というものの価値についてを説いている話という部分にある。
お金とは、物を買うための手段である。
これは決して間違いではない。
しかし、お金とは、決して平等ではない。人ぞれぞれに価値観が違うのである。
お金持ちの1万円と一般庶民の1万円の価値は、同じではないだろう。
お金の価値を見出すのは、人によるのである。
お金で買えなものはない?
人間はお金というものに囚われすぎなのである。
この世はお金が全てだと言う人もいる。お金で買えないものはないと言い張る人もいる。
しかし、本当にお金で買えないものなどないのだろうか。
これについて僕は少し考えてみた。
その結果、買えない物はあるという結論に至った。
その結論が出たのは、割と早かった。
それは簡単な話で、どれだけ大金を積まれても嫌なことはあるなと思ったからです。
その考えを持った時点で、買えない物があることは証明されたと言ってもいいのではないでしょうか。
この映画の中で主人公は、借金を返し、お金さえあれば、家族を取り戻し、幸せな生活を送れると思っている。
しかし、人はそう簡単には変わらないのである。
結局お金は無限ではなく、有限なのであり、それはつまり、お金というのは、無くなるものなのである。
有限なものに人生を掛けるほどの価値を求めるのは、間違いだと僕はこの映画を観て思いました。
最後に
この映画を観て最終的に思ったことは、お金は大切ということです。
当たり前のことだけど、お金がないと生きてはいけないし、結局はお金はなければならない物なのである。
ただ、お金の価値観についてを考え、お金というものは、簡単に人を変えてしまうものだということを知った今、お金というものの見方の変化が自分の中で起こったことを実感しました。
この映画は、非常に深い物語だと思いました。
お金を持つすべての人に一度は観てもらいたい映画です。