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阿月まひる、「さよなら、ビー玉父さん」子が親を強くする

本のタイトルからはどのような内容のものなのか全く想像がつかなかったが、第1回角川文庫キャラクター小説大賞を取ったということもあり、手に取ってみた。

 

内容は父親と離婚して離れ離れで暮らす息子のなんともぎこちない親子関係を描いた話である。

物語の中で書かれている父親は「駄目な父親」として描かれており、それに対して息子は「出来る息子」として描かれている。

駄目な父親」であることが、この物語の重要な要素としてあげられている。

自分のことしか愛せない父親健気な息子の2人の関係を温かさと切なさを混ぜ合わせながら描かれている。

 

僕がこの小説を読んだ率直な感想は、登場人物一人一人にしっかりとした個性があって、とても面白かったです。親子であって親子でない2人の関係が哀しくて泣きそうになりました。

 

この小説は主に、2人の親子の話と父親の日常を混ぜ合わせた様な内容なのだが、僕がこの小説を読み終わった後、もう少し歳を取ってから読みたいと思いました。

話の流れとして、読み進めていくと物語の中もしっかりと時間も経過し、父親は歳を取り、息子は成長するようになっている。

 

泣ける小説として紹介されていたが、僕の中では泣ける作品ではなかったと感じました。親子の温かさを感じる事は出来るが、泣けるほどではなかったというのが正直な感想です。

 

しかし、物語の中で2人の親子の話だけでなく、主人公とキャロンちゃんという女の子の話があるのですが、こっちの話の方が僕の中では面白かったし、心に残るものがありました。

 

子供がいる方が読むとより一層胸を打つものがあるかもしれません。