東野圭吾、「悪意」の中に潜むもの
人間の心に潜む「悪意」とは
僕は東野圭吾の作品は今までにもたくさん読んできたが、この小説の話の構成や組み立ての緻密さに驚かされました。
僕の中で東野圭吾は、誰でも面白いと思える小説を書くことに長けている小説家だと思っている。
話の構成の緻密さや細部にまでこだわった伏線
書く人としてとてつもない尊敬を抱いている小説家の一人である。
「悪意」というのは、何よりも人を動かす原動力になってしまうのかもしれない。特に追い込まれた人の「悪意」は歯止めが利かない。
人を欺くというのは、非常に難しいようで簡単なのかもしれない。
人間という生き物は、考えすぎる生き物であるから、先入観という弊害が全ての考えを狂わすのである。
頭に刷り込まれた先入観は無意識の内に頭の中を巡り、気付かぬうちに思いもよらぬ結論に結び付いてしまうことがある。
この作品では、その悪意を持った人が人を欺くことから始まるのである。
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この作品を読んでいて、東野圭吾の伏線の使い方の上手さを感じた。
ミステリーにおいて、伏線は非常に重要な意味を持っているものであるが、東野圭吾が書く伏線は、非常に細かいのである。
細かいという表現は頭の悪そうな言い方だが、僕は東野圭吾の小説を読んでいて毎回陥る現象として、「そういえば、そんなこと言ってた!」みたいなことがたくさん起きるのである。
東野圭吾の伏線は、これが伏線かもしれない、と読者に思わせないように書かれていることが多いと僕は感じました。
他の作家の小説では、あ、これ伏線かも、と思うことがあるが、東野圭吾の作品では、あ、これ伏線かも、と思っても、その後に、え、そんなところにも伏線が!、というようなことが起きるのである。
僕が東野圭吾の小説を読む理由として、面白いからということだけでなく、読んでて楽しいからというのもその一つである。
東野圭吾は、小説家として読者を楽しませる力に長けているのである。
皆さんが好きな東野圭吾の作品を教えてください。